【日衛協学術委員会】
「JCCLS共用基準範囲」採用にあたっての要点及び注意点について
令和3年3月25日
会員各位
一般社団法人日本衛生検査所協会
学術委員会
「JCCLS共用基準範囲」採用にあたっての要点及び注意点について
会員の皆様におかれましては、日頃より協会の運営にご協力頂き誠にありがとうございます。
さて当協会では、2014年3月末に日本臨床検査標準協議会(JCCLS)が公開した共用基準範囲について、勉強会やホームページでの案内等を通じて会員施設の皆様に周知して参りました。本基準範囲の採用については各施設一任とさせていただきましたが、地域差もあるため導入が進んでいないのが現状です。
当協会の事業計画には従前より、「地域連携や災害対策等を勘案した共有データベースの構築等に必要となる検体検査の標準コードや基準範囲の標準化への対応を検討する」という趣旨の記載があります。
また日衛協では令和2年度から、自然災害等による業務中断リスクへの対応策検討のため、BCP検討委員会を設立し、共有データベース管理システム構築に向けた課題整理やスケジュール等の検討を始めています。
つきましては、あらためて会員各社に、JCCLS共用基準範囲採用にあたっての要点及び注意点をお知らせいたしますので、ご確認ください。
何卒よろしくお願い申し上げます。
【採用にあたっての要点及び注意点】
- 共用基準範囲と臨床判断値を明確に記載するなどの対応が必要・・・ 別記(1)参照
- 項目選択に際し医療現場が混乱しないよう慎重な協議と対応が必要・・別記(2・3)参照
- JCCLS以外の各学会等より出された基準範囲についても、採用時には同じような注意が必要
- 日常の測定値と比較確認しておくこと
- 医療機関等、得意先への案内準備
- システム、印刷物などの変更時期の確認
【別 記】
JCCLSは共用基準範囲を診療機関等が導入するにあたって、臨床判断値との混乱を避けるために、以下のように運用することを推奨している。
(1) 各医療機関内の検査報告書には、共用基準範囲と臨床判断値(各学会のガイドライン)は一つの表の中では別欄に併記する。
(2) どの項目に臨床判断値を使用するかは、各施設での協議により決定する。
(3) 臨床判断値が併記されている項目に関しては、臨床各科に対して、主治医が患者に応じて基準範囲と臨床判断値のどちらを判断基準にするか臨床検査部が適切に説明する必要がある。
以上