Labo_531
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北から南から読んでみた一冊本書は、臨床心理学・精神分析・医療人類学を専門とする著者が、20年近い臨床経験から学んだことについて著した、カウンセラーが教える、コミュニケーションの基本にして奥義。読んだそばからコミュニケーションが変わっていく革新的な一冊です。まえがきの「あなたとあなたのまわりの『聞く』を回復するために、僕の話を聞いてほしい」(原文引用)という優しい呼びかけに引き込まれ、ページを繰る手が止まりません。まずは「聞く技術」。誰かの話を聞こうと思うなら、相手に合わせて「余計」なことを言わずに「適切」な質問をすることが本質であると言い、「余計」と「適切」の判断ができずにいる読者に対しては、「小手先」を使用することをすすめています。具体的には「正直でいよう」「沈黙に強くなろう」「返事は遅く」「奥義オウム返し」などがあり、そのひとつの「また会おう」には大きく納得。根気よく聞くことが大切なのだと教えられます。次に「聞いてもらう技術」。「聞く」は「聞いてもらう」に支えられており、「聞く」ことができなくなったら「聞いてもらう」から始めるのがよいのだと著者は説きます。聞いてもらうための「小手先」には、「隣の席に座ろう」「トイレは一緒に」「一緒に帰ろう」など。「聞く」ことも「聞いてもらう」ことも案外簡単なことから始めればよいのだと思うと、すぐに実践してみたくなります。どちらから始めるか迷ったときは「あなたに可能なほうから始めるしかない」(原文引用)の言葉に背中を押されて、新しいコミュニケーション術を身につけることができそうです。九州支部よりい 聞く技術聞いてもらう技術2022年9月23日に運行を開始。令和になってはじめ雄市)と長崎駅(長崎県長崎市)を結ぶ新幹線としてて開業した新幹線として人気を集めています。列車名は「かもめ」で、車両には東海道新幹線の最新型と同じ「N700S」を使用。デザインは豪華寝台列車「ななつ星」と同じく工業デザイナーの水戸岡鋭治氏が手がけ、車体にJR九州のコーポレートカラーである赤を配色し、軽やかな「かもめ」のシンボルマークとロゴを配置しています。4列シートの指定席は肘かけやテーブルに木材が使用され、シートのデザインと車両ごとに異なっています。4号車から6号車は5列シートの自由席で、鮮やかなイエローのシートが旅のワクワク気分を盛り上げてくれます。全座席に電源コンセントが設置されていて、気兼ねなくスマホやパソコンが使用できます。開業から約5カ月となる2月22日までに、武雄温泉駅〜長崎駅間の利用者は累計で100万人を突破。「西九州新幹線」の開業により福岡県や中国地区、関西方面へのアクセスが格段に向上し、「九州新幹線」(博多駅〜鹿児島中央駅)と連携することにより南九州との交流拡大も期待されています。武雄温泉、嬉野温泉、新大村、諫早、長崎の5つの駅に停車し、約66キロの距離を最短23分で疾走。駅周辺には、1300年の歴史をもつ「武雄温泉」、日本三大美肌の湯とも称される「嬉野温泉」、花の名所「大村公園」、重要文化財の眼鏡橋がある「諫早公園」、長崎市の代表的観光スポット「グラバー園」など見どころがいっぱいです。は1号車が菊大柄、2号車が獅子柄、3号車が唐草柄「西九州新幹線」は、武雄温泉駅(佐賀県武JR九州のfrom North to South福岡県佐賀県武雄温泉駅佐賀佐世保武雄嬉野有明海西九州新幹線諫早嬉野温泉駅大村湾新大村駅諫早駅長崎駅長崎雲仙長崎県15■ LABO – 2023.04東畑 開人 著 筑摩書房 946円(税込)赤と白のカラーに明るさと元気さが感じられる「かもめ」。車体の先端など、各所にロゴタイプが散りばめられている座面が広くゆとりある空間の指定席。2号車のシートは獅子柄大村市を走る「かもめ」。窓外に見えるのは大村湾●西九州新幹線武雄温泉駅(佐賀県武雄市)~長崎駅(長崎県長崎市)JR九州公式サイト:https://www.jrkyushu.co.jp/book西九州新幹線「かもめ」武雄温泉・長崎間で開業!

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