Labo_531
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胸(胸から腋にかけて出るケースが全体の約30%)1度かかると、何度も再発することが多い。紛らわしい病気と区別するには迅速診断キットが有効腕5▼角膜炎・ぶどう膜炎▼髄膜炎、脳炎、脳梗塞など▼問診▼血液検査、抗原検査イルスが再活性化して引き起こされる病気です。突然、片側の顔面が麻痺したり、めまいや耳鳴り、難聴などが起きたりすることがあります。目や額に水ぶくれや痛みが生じた場合は、角膜炎やぶどう膜炎が起き、視力障害を招くこともあります。まれにVZウイルスが脳と脊髄の中枢神経までを侵すことがあり、ウイルス性髄膜炎や脳炎を発症することがあります。また、脳の血管の近くで炎症が起きると、脳梗塞のリスクが高まるといわれます。帯状疱疹の前駆痛が現れたとき、最初に整形外科などを受診する人が少なくありませんが、帯状疱疹は皮膚科が診る病気です。痛みのある場所に発疹が現れた場合は、できるだけ早く皮膚科を受診しましょう。皮膚科では以下のような流れで診療を行います。痛みや発疹の経過、水ぼうそうにかかったことがあるか、水ぼうそうの予防ワクチンを接種したことがあるかなどを聞かれます。この問診と視診(皮膚の状態を診る)でほぼ診断がつきます。発疹の様子だけでは、単純ヘルペス(図表4)や丹毒(連鎖球菌が原因)、虫さされ、接触皮膚炎などの別の皮膚病との区別がつきにくいことがあります。その場合は、血液検査で抗体を調べたり、「迅速診断キット」を利用し、水ぶくれの中身を採取して、VZウイルス(抗原)が含まれているかどうかを調べたりします(6ページ、図表5)。■ ■ 60歳以上■ ■ 女性(男性よりやや多い)■ ■ 喫煙者■ ■ はっきりとした前駆痛があった人■ ■ 皮膚症状が重かった人■ ■ 発疹が出ているときに   痛みが強かった人■ ■ 糖尿病、膠原病などの   持病がある人■ ■ がんの患者さん以下に当てはまる場合は帯状疱疹から帯状疱疹後神経痛に移行しやすいので、注意が必要です。単純ヘルペスウイルス1型・2型唇や顔、性器などに発症。水ぶくれが数個集まってできるものから、全身に発疹が広がるものまでさまざま。症状は軽いことが多いが、妊娠中に感染した場合は、胎児が脳炎や髄膜炎を起こす危険性がある。感染力が強い。ほとんどない。のどおなか、脇腹背中、腰、おしり太もも顔(全体の約20%)通常、体の片側だけに帯状に出ます。■ LABO – 2023.04ウイルスの種類水痘・帯状疱疹ウイルス(VZウイルス)胸や背中、顔など感覚神経のある場所に発症。痛みや水ぶくれなどの症状が強く出やすい。症状は体の片側に帯状に出る。症状ほかの人にうつることはないが、水ぼうそうにかかってない人がVZウイルスに感染すると、水ぼうそうを発症する危険性がある。感染力帯状疱疹後神経痛を発症することがある。後遺症ほとんど再発しないが、近年、高齢者に再発が増えている。再発度帯状疱疹単純ヘルペス症状の出方の例図表2 症状が現れやすい場所頭図表3 帯状疱疹後神経痛になりやすい人は?図表4 帯状疱疹と単純ヘルペスの違い

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