Labo_532
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日衛協は、従前より「標準化に向けての検討」を事業計画に列挙しており、会員衛生検査所においては、すでに各社の判断により、共用基準範囲や臨床検査項目標準マスター(JLAC)を導入しています。さらに、現在政府が導入を進めているマイナンバーカードは保険証と紐づけられるため、今後ますます病病連携、病診連携、地域医療連携が進み、その対応が求められています。このようにどこでも同じように精度保証されたデータの提供が求められる中で、共用基準範囲を採用することは必須となり、そのために各種ガイドラインやマニュアルを見直すとともに、新規に作成もして、それに基づいて業務を行うことが最も重要になってきます。平成30年12月に施行された「医療法等の一部を改正する法律(平成29年法律第検査の品質・精度を確保するため、それまでは法令上の基準が設定されていなかった医療機関に関しても、精度管理の基準を設けました。精度保証の観点から、患者に対してどこで検査を受けても同じ結果を返すこと、つまり検査の標準化が求められています。 このような状況の中、関連学会や関連団体、国・行政の動向や医療関連の導入状況などの情報収集を行い、会員向けに情報提供を行うとともに、会員会社の検査案内のあり方等を検討することは、今後の検査事業において不可欠なことです。 検査の標準化の状況、標準化の必要性、今後に向けての検査の標準化のあり方などについて討論がスタートしました。日本臨床検査標準協議会の高木康会長からは、「病病連携、病診連携、地域医療連携が進むと、検査の標準化、言い換えれば検査値の互換性の確保は非常に重要になってくると思います」と、現状を踏まえたご意見がありました。日本臨床衛生検査技師会の滝野寿専務理事は、「標準化について、協会としては日本臨床検査標準協議会の皆さまと取り組んできたつもりですが、広報が不十分だったのか、広がっていないのが実情かなと思います」と発言されました。本フォーラムについては、各出席者の発言要旨をまとめ、冊子として制作する予定です。令和4年度「医療フォーラム21」臨床検査の役割、衛生検査所の課題等について、有識者の方々をシンポジストに迎えて意見交換を行う「医療フォーラム21」。令和4年度は「臨床検査の標準化への対応(Part1)〜現状把握と問題点〜」をテーマに、3月13日に開催されました。JLACコード、基準範囲、BCP、システムや営業活動等、検討内容が多岐にわたるため2回に分けての開催とし、今回の1回目は「現状把握と問題点」をサブテーマに、それぞれの立場で闊達な討論が行われました。どこで受けても同じ検査結果を返すそれが「臨床検査の標準化」医療施設間の連携が進む中検査値の互換性の確保が重要令和4年度「医療フォーラム21」●出席者 座長  シンポジスト 畠 伸策氏(厚生労働省地域医療計画課医療関連サービス室 室長補佐) ●進行役 令和4年度の医療フォーラム21は、「臨床検査の標準化への対応(Part1)〜現状把握と問題点〜」をテーマに行われた渡辺清明氏(慶應義塾大学 名誉教授)日高 洋氏(一般社団法人日本臨床検査医学会 理事)高木 康氏(公益社団法人日本臨床検査標準協議会 会長)滝野 寿氏(一般社団法人日本臨床衛生検査技師会 専務理事)望月克彦氏(一般社団法人日本臨床検査薬協会 専務理事)奥原俊彦氏(一般社団法人日本衛生検査所協会 学術委員会副委員長)近藤健介氏(一般社団法人日本衛生検査所協会 副会長)※所属などはフォーラム開催時のものです。57号)」は、遺伝子関連検査を含む検体2023.05 – LABO ■12日衛協News「臨床検査の標準化への対応( Pa r t1 )」

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