Labo_532
13/16

13■ LABO – 2023.05渡辺清明氏 臨床検査の標準化については、具体的にどうあるべきか、何を優先して考えるべきなのかなど、本日の医療フォーラム21を主催する日衛協を通じて、国保医療における標準化の重要性を知っていただきたいと思います。畠 伸策氏 検査の標準化は医療行政の中で、本当に必要なことと認識しています。大前提として、検体検査の精度の確保があり、平成29年の医療法の一部改正で明確な基準を示しました。その後、精度管理の課題の抽出などを進め、施策につなげていければというところです。日高 洋氏 妊娠中のTSHの値で、高めに出る試薬の場合は治療するけれども、低めに出る試薬の場合は治療しないという問題がありました。臨床的なニーズから、いろいろな団体と一緒に標準化を進めましたが、臨床的に標準化は重要だと感じています。高木 康氏 以前より言われていますが、長い間、検査の重複が行われています。検査の標準化、もしくは検査値の互換性があれば、検査の重複は少なくてすみます。結果、医療費の削減になり、患者さんにとっても、採血による肉体的、精神的さらには経済的な負担の軽減につながります。滝野 寿氏 われわれの外部精度管理調査において、共用基準範囲のデータに関しては、ばらつきも少なく、非常によい結果が示されています。ただ、標準物質がない、標準測定法が定まっていない項目については管理幅が大きく、なかなか統一できないのが実情です。望月克彦氏 企業側から見ると、標準化というのは、議論を待たずに必要だと考えています。かなりの項目については、ある程度の標準化はできていると思っていますが、一方で、標準化が難しい項目もあって、なかなか着地点まで到達していないというのが実情だと思います。奥原俊彦氏 標準化は、施設の中では一生懸命やっているのですが、外部委託先が変わるとデータが変わったり、方法が変わったり、そのことによって値も変わってきます。このようなところが衛生検査所の受託側の問題点であり、標準化を進めることが重要と考えます。近藤健介氏 再現性のないデータは医療では使えないと思います。この問題を解決するには検査の標準化が必須で、今回のように各協会等が意見交換を行い、課題抽出とその解決を行うことが重要です。その中で日衛協はより主体性のある取組をするべきであると感じています。「医療フォーラム21」より…有意義な意見がたくさん出ました!■座長■シンポジスト■進行役

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る