Labo_532
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〜1970年代日本の医療制度は、戦後の近代化政策により急速に進み、その中のひとつである臨床検査も、病院内の検査部という形で進展し、日常診療における臨床検査の意義と重要性に対する医療関係者の認識は高まりを見せていきます。法律面においても、1958年に「衛生検査技師法」が公布されました。ところがその一方で、病院内の検査部では、検査に要するコストと人員の確保という検査業務にかかわる非効率性という課題が浮かび上がってきました。検査を効率的に行う、日常診療を円滑に進めるために貢献する査を専門に行う施設としての衛生検査所の存在意義と必然性が生まれたのです。そして、検査業務の〝受け皿〟として、検体検査を専門とする衛生検査所への外部委託が、頻度も量も急速に拡大しました。1961年には「新国民健康保険法」(国民皆保険制度)が施行されました。検査業務の必要性と効率化がさらに叫ば、ここに検◆―3検査業務の必要性と効率化が叫ばれ検査を業とする施設が胎動衛生検査所の存在意義が明確に50th Anniversary■ LABO – 2023.05日本衛生検査所協会は、1973年3月に「全国臨床検査所協会」として発足し、2023年3月、創立50周年の佳節を迎えました。協会設立以来、臨床検査を通して国民の皆さまの健康生活に寄与し続けてきた「歩み」を、誌面を通して振り返ります。医療制度が近代化する中、検査を業とする施設が胎動し、検査をするという立場で、つねに国民医療に寄り添いながら歩み続けている日本衛生検査所協会―、その真摯な姿をたどります。日衛協History医療の発展を支えてきた日衛協の50年の歩み

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