Labo_533
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図1 性別・年代別 更年期に関する理解図1のとおり。女性は40代以降年代調査はインターネットで実施し、全国の20〜64歳の女性2975人と男性2025人の計5千人から回答を得ています。「更年期」や「更年期症状・障害」の定義や質問項目は、日本産科婦人科学会や日本内分泌学会などのガイドラインが基盤として用いられました。「更年期」の症状や障害には、女性ホルモンや男性ホルモンの減少が深くかかわっています。ところが、この調査の「更年期に関する理解」の冒頭の質問「女性ホルモンや男性ホルモンの変化が健康に影響を与えることを知っていますか?」の回答はが上がるほど「よく知っている」の割合が高くなっているものの、もっとも多い60〜64歳でも4割程度。男性はどの年代においても1割程度でした。ガイドラインの解説を紹介しながら検証を進めます。    0女性の場合、「更年期」とは閉経前後の5年間をあわせた10年間のことをいいます。更年期に現れるさまざまな症状のなかで、ほかの病気をともなわないものを「更年期症状」といい、そのなかでも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」といいます。更年期障害のおもな原因は、閉経にともなう女性ホルモン(エストロゲン)の低下で、それに加齢などの身体的因子、成育歴や性格などの心理的因子、職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に関与することで発症すると考えられています。症状は、大きく3種類に分けられます。ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗などめまい、動悸、胸が締めつけられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさなど気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠など(日本産科婦人科学会)女性特有と思われがちな更年期の症状は男性にもあり、性ホルモン①血管の拡張と放熱に関係する症状②そのほかの身体症状【女性】【男性】③精神症状「更年期」の現状の把握と対策を模索するための初調査女性はエストロゲンが関与閉経前後10年間が危険期間男性はテストステロンが関与2023.06 – LABO ■12めまいや頭痛、気分の落ち込みなど、「更年期」の症状が仕事や日常生活に及ぼす影響、医療機関の受診状況などについて、厚生労働省が初めて実態調査に乗り出しました。「更年期」は、加齢にともなう性ホルモンの減少などによって症状が起こるため、女性も、男性も、だれにでも起こりうる問題です。厚生労働省では、昨年度、研究事業を立ち上げて調査に取りかかり、実態把握を進めたうえで、対策を検討していく予定です。「更年期症状・障害に関する意識調査 」基本集計結果(2022年7月26日)を中心に、現状と課題を検証します。40代以降どの年齢でも20~29歳30~39歳20.440~49歳28.050~59歳36.260~64歳41.020~29歳11.730~39歳11.340~49歳11.450~59歳10.560~64歳16.0よく知っている   聞いたことはあるが、内容について詳しく知らない   知らない(注)少数第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がある【女性ホルモンや男性ホルモンの変化が健康に影響を与えること】(%)100201022.33050604038.390708039.449.054.251.648.826.337.245.751.250.930.617.812.210.162.051.642.938.233.0厚労省が初の意識調査へ 男と女の「更年期」Medical Trendメディカル・トレンド

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