令和5年度の第29回学術研究発表会全国大会は、今年もウェブ会議システムZoomでの開催となりました。まず、近本陽一学術委員会委員長による開会の挨拶から始まりました。「今回の全国大会も、ウェブ会議システムZoomを使用しての発表となりました。当協会は創立以来、検査精度の維持・向上こそが登録衛生検査所の生命線であるという理念に基づき、さまざまな事業を推進してまいりました。その責任を果たすために衛生検査所に求められることは、『精度管理』、そしてそれを守るための人材を育てる教育です。持続的な教育研修が、検査の品質・精度の向上や維持を可能にします。本発表会もその人材を育てる教育の一翼を担う事業として実施され、今回で29回目を迎えました。全国9支部からご推薦をいただきました19演題を発表しますが、医療技術の進歩にともない、発表演題は、年々、多分野にわたり高度なものとなっています。発表された各研究内容の成果を各施設において、有意義に活用していただければ幸いです。最後に、開催準備にご尽力いただきました皆様にお礼を申し上げます」と、学術研究発表会への想いと関係者への感謝を述べました。学、臨床化学、血液学、教育、病理学、精度保証・管理運営(業務改善含む)の8つの分野に分けられ、学術委員が担当する座長によって進められました。発表事例は、上記「演題一覧表」のとおりで、いずれも各検査施設で役立つものばかりでした。最後に、杉田宏充学術委員会副委員長から、「今回の演題もバラエティに富んで、詳しく研究された大変すばらしい内容でした。皆様のご協力に感謝申し上げます。今年の秋に開催される各支部の学術研究発表会にも、奮ってご参加いただければと思います」と閉会の挨拶が述べられ、4時間にわたった学術発表会は、無事に終了しました。持続的な教育研修が検査の品質・精度の向上、維持を可能に第29回学術研究発表会全国大会は、日衛協事務局と発表者および聴講者をウェブ会議システムZoomでつなぎ、7月7日(金)に開催されました。各自のパソコンを使用しての発表と聴講はスムーズに行われ、今回も大いに意義のある大会となった模様をレポートします。発表はスムーズに進行する2349 5遺伝子6微生物学7臨床化学812開会挨拶を述べる近本陽一学術委員会委員長閉会挨拶を述べる杉田宏充学術委員会副委員長事務局をメイン会場に発表者と聴講者をウェブでつないで行われた2023.09 – LABO ■19演題は、免疫血清学、遺伝子、微生物10血液学1112教育1314病理学1516精度保証・管理運営(業務改善含む)1718 19令和5年度第29回学術研究発表会全国大会演題一覧No免疫血清学1演 題ORTHO VISIONのユーザー定義プロトコールによる血液型検査の業務改善 (株)兵庫県臨床検査研究所 岡田麻里子特異的IgE検査における項目間相関推定を利用した再検基準設定の試み (株)四国中検 岩田寛司「ナノピアLRG」の基礎的検討について (株)福山臨床検査センター 松原沙羅SARS-CoV-2 pseudovirus を利用した中和抗体評価系の開発 (一財)阪大微生物病研究会 鈴木孝一朗新型コロナウイルスワクチン3回目接種後の抗体価調査 (株)江東微生物研究所 奥田里子BML名古屋における新型コロナPCR検査の陽性率の推移について (株)ビー・エム・エル 吉野和寿当研究所におけるESBL産生菌の検出状況 (株)江東微生物研究所 村田優貴心疾患ハイリスク群検索を目的とした検診セット項目の基礎的検討(株)保健科学研究所 海老原颯人採血管種によるHbA1cの経時変化について (株)LSIメディエンス 岩林葵NaFおよびEDTA採血管での冷蔵保存による溶血とHbA1cの変動 (株)四国中検 乙竹香往里フローサイトメトリーによる原発性免疫不全症スクリーニング検査(株)ビー・エム・エル 望月裕子凝固検査で反応曲線から数値を算出した事例 (株)エスアールエル 吉田亮一細菌検査提出方法についての改善の取り組み (株)岡山医学検査センター 田賀昭光尿沈渣検査における尿細管上皮細胞検出と腎症バイオマーカーの関連性 (株)第一岸本臨床検査センター 中村光宏悪性黒色腫との鑑別が問題となった外陰部基底細胞癌の一例 (一社)シーピーエル 藤岡正美液状化検体細胞診(LBC)が有用であった子宮頸部原発悪性黒色腫の1例 (株)東海細胞研究所 所飛竜報告書誤配対策について (株)キューリン 宮本圭介小さいことからコツコツと! −働き方改善活動の取り組み− (株)エスアールエル 中臺綾乃臨床への貢献 〜血液型検査過誤防止活動〜 (株)エスアールエル 江頭拓19演題を8つの分野に分け日衛協News「令第和295回年度学術研究発表会全国大会」を開催
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