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3「頻尿」は朝起きてから夜寝る前までにトイレに行く回数が8回以上、「夜間頻尿」は夜間に起きてトイレに行くことが1回以上と定義されています。しかし、排尿回数には個人差がありますので、自分自身で排尿回数が多いと感じ、困っているなら頻尿といえます。この頻尿と、自分の意思とは関係なく尿がもれてしまう「尿もれ(尿失禁)」はどちらも膀胱に尿をためにくくなることで起こることから、医学的には「蓄尿症状」と呼ばれています。頻尿と尿もれは原因が絡み合っていることが多いため、併存している場合が多くみられます。頻尿や尿もれを正しく知るために、まずは「排尿のしくみ」について理解しておきましょう。尿は腎臓でつくられ、その尿を一時的にためておくのが膀胱です。膀胱内にある程度の尿がたまると、尿道を通って排出されます。膀胱は排尿筋という筋肉に囲まれ、尿道もまた尿道括約筋という筋肉に囲まれています(4ページ、図表1)。通常、膀胱に尿が200~300伝わり、尿意が起こります。このとき、すぐにトイレに行けない状況であれば、脳が「まだ排尿してはいけない」という信号を膀胱と尿道に伝えます。すると、脳と膀胱・尿道の筋肉が連携し排尿をコントロール「頻尿・尿もれ」■ LABO – 2023.09mLほどたまるとその刺激が脊髄から脳に賢く知って 正しく対処!病気とけんさ「何度もトイレに行きたくなる」「夜中にトイレに行きたくなって目が覚める」「ふとした瞬間に尿もれすることがある」などの悩ましい尿トラブル。 いまや40歳以上の日本人の3人に1人にこうした尿トラブルの経験があるとされています。頻尿や尿もれは、それ自体が命にかかわるものではありませんが、QOL(生活の質)が著しく低下してしまいます。しかし、尿トラブルの多くは生活習慣の見直しや薬での治療で改善が可能です。そのためには、まず泌尿器科を受診し、正しく対処することが大切です。人知れず悩んでいたら泌尿器科の専門医に相談を

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