Labo_537
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副鼻腔は鼻の奥のほうに点在する空間で、合計8つあります(4ページ、図表1)。副鼻腔が存在する理由は、頭の重さを軽くするためや、声を反響させるためなどいくつかの説はありますが、はっきりとはわかっていません。副鼻腔は自然口という穴で鼻腔とつながっています。そのため、外部から細菌やウイルスが侵入して感染したり、花粉やダニなどが侵入してアレルギー反応が起きたりすることによって、副鼻腔内を覆う粘膜に炎症が起こることがあります。「副鼻腔炎」は、主に風邪やインフルエンザなどの感染症をきっかけに発症します(5ページ、図表2)。発症から1カ月以内に症状が消失する場合を「急性副鼻腔炎」といい、副鼻腔炎の8~9割を占めています。急性副鼻腔炎は、多くの場合、風邪などが治るにつれて治癒します。一方、症状が3カ月以上続く場合は「慢性副鼻腔炎」と診断されます(蓄膿症と呼ばれることもある)。難病情報センターによると、現在、日本における副鼻腔炎の患者数は100~200万人とされ、そのうち慢性副鼻腔炎の患者数はおよそ20万人と推計されています。また、副鼻腔炎の中には、歯の病気が原因の「歯性上顎洞炎」や真菌(カビ)の感染によって起こる「副鼻腔真菌症」風邪などをきっかけに発症鼻水・鼻づまりが長期間続く「副鼻腔炎」3■ LABO – 2023.10「副鼻腔」はあまり馴染みのない部位かもしれませんが、鼻腔(鼻の穴の空間)に隣接する空洞です。鼻の穴から外部に通じているため、細菌やウイルス、花粉、ダニなどが侵入して、粘膜に炎症を生じさせることがあります。「副鼻腔炎」になると、鼻水や鼻づまりといった鼻の症状に加え、頭痛や歯痛、嗅覚障害などを引き起こすこともあり、QOL(生活の質)が著しく低下します。さらに、近年は治りにくいタイプが増加しており、早い段階での診断・治療が重要となっています。賢く知って 正しく対処!病気とけんさ難治性のタイプが増加中嗅覚障害やぜんそくが起こることも

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