Labo_538
15/23

検査は病気のタネを見つけ予防や治療に導いてくれるもの●健診診)、血圧測定、血液検査(脂質、血糖、肝機能)、尿検査(尿糖、尿たんぱく)が行われます。コロナ禍では自覚症状の有無にかかわらず受診を控えた人が多く、がんが進んだ状態で発見されるケースが増えたといわれています。また、生活習慣病もほとんど自覚症状がないため、気づいたときには血管や臓器の合併症が進んでいる場合が少なくありません。日本には健診や検診(がん検診など)の受診制度や任意で受ける人間ドックもありますが、定期的に健康状態をチェックすることの重要性が周知されているとはいえません。実際に、がん検診の受診率は先進諸国の中では最低レベルです。まずは、健診・検診・人間ドックの目的や特徴を知ることから始めましょう。健診の主な目的は、病気になる前に「病気になりやすい素因や身体的な変化などを調べ、病気の予兆を見つけて予防すること」です。つまり、自分自身が気づかない病気のタネ(未病)を見つけ、発症する前に予防することが狙いです。健診には職場の健診、特定健康診査(メタボ健診)、後期高齢者健康診査などがありますが、いずれも基本的な検査として、問診、身体計測、診察(視診や聴15■ LABO – 2023.11監修 岡田邦夫(おかだ・くにお)NPO法人健康経営研究会 理事長1977年大阪市立大学大学院医学研究科修了。大阪ガス株式会社産業医、健康開発センター健康管理医長、同社統括産業医、大阪経済大学人間科学部客員教授、プール学院大学教育学部教育学科教授、同健康・スポーツ科学センター長を歴任。厚生労働省、文部科学省のメンタルヘルス関連の委員会委員も務めた。日本は国民皆保険制度によって、自治体や勤務先の定期的な健康診断(健診)やがん検診を受けることができます。それにもかかわらず、受診を怠ったり、せっかく異常が指摘されても放置してしまったり。その結果、病気を早期に見つけるチャンスを逃してしまうケースは少なくありません。健診・検診を受けることの重要性に加え、さらにどのような検査をどういうタイミングで受ければ病気の早期発見・早期治療に有効なのか――。自分自身にとっての適切な検査の受け方を探ってみましょう。日衛協特別企画どんな検査を いつ受ける?ー病気の予防・早期発見につなげるためにー「検査のちから・検査のすすめ」

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る