Labo_No.556
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中華鍋ひとつで麺と具材を煮込む栄養満点の「ちゃんぽん」郷土料理をもう一品!んへいじゅん長崎県民の暮らしに寄り添うソウルフードといえば「ちゃんぽん」。そのはじまりは、1899年(明治32年)に中華料理店「四しか海いろ樓う」の店主・陳ち平順氏が、中国人留学生に安くて栄養があるものを食べさせたいと、野菜や肉の切れ端などを鍋で炒め、そこに中華麺を入れて濃いめのスープで煮込んだボリュームたっぷりの料理でした。これは福建料理の「湯とん肉にい絲しい麺めん」がルーツになっていて、日本風にアレンジしたのが現在の「ちゃんぽん」だそうです。入れる具は自由ですが、一般的には豚肉と長崎特有のはんぺん(紅白かまぼこ)、キャベツ、ネギ、モヤシなどの野菜類、イカやエビに、夏場はアサリ、冬場はカキといった魚介類で、生卵をトッピングすることもあります。語の簡単なご飯という意味の「喰シャン飯ポン」、中国語で混ぜることを意味する「攙 (chān)」と、油で炒めてから煮る料理法▶ を意味する「烹 (pēng) 」を合わせた「攙烹」など諸説あるようです。をスープで煮込むため、中華鍋ひとつで調理できること。おいしくて栄養たっぷりな麺料理ということで、長崎県で日常的に食される家庭料理となりました。同時に多くの飲食店でも提供されはじめ、全国的に知られる存在となり、他県の飲食店でも提供するようになっています。ちなみに、その名前の由来には、中国ほかの麺料理と大きく異なる点は、麺どんどんピカドicado(小さくきざむ)が語 ポルトガル語のP源の「ヒカド」は、かつて長崎にいたポルトガル人の宣教師や貿易に携わっていた人たちが、寒い時季に牛肉や豚肉を使ってつくっていたシチューです。その料理が次第に地元の人々の間に広がり、地域で採れる野菜や鶏、魚などを用いて独自のつくり方で確立されたのです。 野菜類、魚、鶏肉などを細かく切って煮込み、しょうゆで味つけし、最後にすりおろしたサツマイモを入れてひと煮立ち。サツマイモの甘みがさまざまな具材を調和させ、やさしい味を生み出しています。野菜をふんだんに使った彩り豊かな「ちゃんぽん」和風シチューのようにアレンジされた「ヒカド」●本誌の文書、写真、図版等の無断転載・複製を禁じます。転載・複製をご希望の場合は本協会までご連絡ください。「ビワ」という名は、実(葉という説も)の形が楽器の「琵琶」に似ていることに由来するそうです。江戸時代からビワ栽培の歴史がある長崎県。温暖な気候はビワにとって絶好の環境で、国内のビワ収穫量の約3分の1を占めています。ビワは鮮度が命とのこと。早く食したほうがいいようです。ビワ長崎県〒112-0004 東京都文京区後楽2-3-28 K.I.S飯田橋2階電話(03)5805-5250(代表) FAX(03)5805-5252毎月1日発行  1部85円(発行部数36,500部)出典:農林水産省Webサイト、参考資料:農林水産省ホームページ、『ポプラディア情報館 郷土料理』(株式会社ポプラ社)医食同源みんな使ってネりんしょう犬さんスタンプ購入サイト・・Memo・・次世代に伝えたい!国際交流の歴史のなかで生まれた「ヒカド」ちゃんぽん郷土料理麺

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