Labo_No.557
16/16

冷たい麵を温かいつゆに入れて食す夏に好まれる「おざら」糖、しょう油などを加えて味を調えたつゆに、千切りにしたニンジンや玉ネギ、シイタケ、油揚げなどたくさんの具が入っていて、豚肉や鶏肉が入っているとコクが増しておいしいです。うとうと違い、一度ゆでてから冷たい水でしめた麺はのど越しがとてもよいです。暑い夏でも食べやすいため、夏バテ防止として人気があり、米が貴重だった時代には暑い時季のごちそうとしてつくられていました。「おざら」は、各家庭やほうとう専門店では、ほうとうに代わり暑い夏に食べられることが多いですが、通年提供しているほうとう専門店もあります。ゆでずにそのまま鍋に入れて煮込むほ山梨県は日本列島の中央付近に位置する内陸県で、冬は寒く夏は猛暑となります。有名な郷土料理にほうとうがありますが、とにかく暑い夏は、ほうとうに代わり「おざら」が好んで食されます。甲府駅近くの「ちよだ」が発祥の店とされ、1970年代ごろ、夏にほうとうの注文数が少なくなることからメニューに加えたそうです。「おざら」はほうとうと同様に幅広の平たい麺で、太さはほうとうと冷や麦の間ぐらいです。麺をゆでてから冷やし、しょうゆ味の温かいつゆに入れて食べるのが一般的です。煮干しなどでとっただし汁に酒、砂出典:農林水産省Webサイト、参考資料:農林水産省ホームページ、『ポプラディア情報館 郷土料理』(株式会社ポプラ社)りんしょう犬さんスタンプ購入サイト医 食 同 源みんな使ってネ山梨県〒112-0004 東京都文京区後楽2-3-28 K.I.S飯田橋2階電話(03)5805-5250(代表) FAX(03)5805-5252毎月1日発行  1部85円(発行部数36,500部)郷 土 料 理をもう一 品 !食欲が落ちがちな夏に好まれる「おざら」。ツルっとした食感はのど越しが抜群で、箸がよく進む現在は贈答用としても重宝されている「アワビの煮貝」ど ん ど ん●本誌の文書、写真、図版等の無断転載・複製を禁じます。転載・複製をご希望の場合は本協会までご連絡ください。 冷蔵や冷凍の設備や技術が発達していなかった江戸時代、甲斐国 (甲州=現在の山梨県)での名物が「アワビの煮貝」でした。駿河国(現在の静岡県)の魚問屋が、駿河の海で獲れたアワビをしょう油に漬けて樽に詰め、甲州まで運んできたのがはじまりといわれます。 運搬の途中でしょう油がアワビによくしみ込んで独特の風味を生み出し、その味は甲州土産として江戸に運ばれ、評判となりました。交通が発達した現在は県内で調理され、変わることなく山梨名物として定着しています。ミネラルウォーター富士山や南アルプス、八ヶ岳などの豊かな自然に恵まれた山梨県。県土の78 パーセントが森林で、そこから、清らかで良質なミネラルウォーターが生産されています。ミネラルウォーターは山梨が発祥の地で、一般社団法人日本ミネラルウォーター協会の調査によると、2024年の生産数量は年間約164万キロリットルと日本一で、全国シェアの32.5 パーセントを占めています。▶・・Memo・・次世代に伝えたい!海のない山梨県の保存食「アワビの煮貝」おざら郷土料理麺

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る