性別・年齢によって異なる膀胱炎の種類と特徴女性の人体構造が膀胱炎リスクを秘めている膀胱炎とは、膀胱粘膜に炎症があり、排尿時痛、頻尿、尿意切迫感などの症状を来す疾患の総称です。一般的には細菌または真菌による感染性の膀胱炎を指します。膀胱炎は病気の進み具合により、急性膀胱炎と慢性膀胱炎に分類されます。さらに、明らかな基礎疾患が認められない単純性と、基礎疾患がある複雑性に分類されます。急性単純性膀胱炎は閉経前の女性に発症することが多く、複雑性膀胱炎は基礎疾患を有する小児や高齢女性、男性に発症頻度が高いといわれています。複雑性膀胱炎の基礎疾患としては、前立腺肥大症、膀胱がんなどの尿路系の病気や、ステロイドの内服中や尿道カテーテル留置などで感染防御機能が低下しているときなどがあげられます。圧倒的に多い膀胱炎は急性単純性膀胱炎(以下、膀胱炎と表記)で、女性に多く、とくに妊娠可能な年齢の女性によくみられます。また、膀胱炎を何度も繰り返す女性もいます。膀胱炎が女性に多い理由は、女性の身■ LABO – 2025.063 「日に何度もトイレに行きたくなる」「オシッコをすると痛みがある」「トイレに行っても残尿感がある」など、排尿に不快な症状が起こる膀胱炎。多くの場合、尿道から侵入した大腸菌などの細菌が炎症を起こす膀胱の感染症です。女性に多くみられ、およそ2人に1人の女性が生涯に1度は経験するといわれます。身近な病気だけに、受診をためらって放置しているうちに悪化したり、再発を繰り返したりすることもあります。また、抗菌薬の不適切な使用によって、耐性菌が増えていることも問題になっています。 季節の変わり目は、膀胱炎のリスクが高まります。気温や気圧の変化に体温調節機能が追いつかず、抵抗力の低下や隠れ脱水 (軽い脱水状態)が起こるからです。尿量が減少し、侵入してきた細菌を排尿と同時に体外へ排出しにくくなります。予防法や対処法を確認しておきましょう。賢く知って 正しく対処!病 気 とけ ん さ季節の変わり目はとくに注意!「膀胱炎」
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