Labo_No.559
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胆石症とは、胆汁の通り道のなかに石(胆石)ができて、ときに痛みなどさまざまな症状を引き起こす病態の総称です。胆石は、できる部位によって、胆のう結石、総胆管結石、肝内結石に分けられます(4ページ・図表1)。胆石の多くは胆のう結石で、全体の約80パーセントを占め、総胆管結石は約20パーセント、肝内結石は約2パーセントの頻度です。わが国における胆石保有者数を厚生労働省の「国民生活基礎調査」から推定したデータによると、1979年の390万人から年々増加し1993年には1000万人を超えて、人口の約10パーセントに達したとされています。その後、調査が行われておらず最近の推移については不明です。ただし、肥満者の約25パーセントが胆のう結石を有すると報告されており、成人の肥満人口が、特に男性において増加していることから、胆のう結石保有率も増加していると推測されています。胆汁は肝臓で1日に600〜1000ミリリットルつくられる黄褐色で透明な胆汁の成分がルートで結石化高カロリー食、肥満などが胆石の形成に影響■ LABO – 2025.08 食生活の欧米化や高齢化などにともない、胆石症が年々増加しています。 毎日600ミリリットルも肝臓でつくられている胆汁には、有害物質や不要なコレステロールなどを排せつし、食物中の脂肪やビタミンの消化・吸収を助ける役割があります。この胆汁の成分が胆のうや胆管で結石をつくってしまうのが胆石です。胆石はあっても無症状なことも多く、人間ドックなどで腹部エコー(超音波)検査を行うと、10人に1人の割合で胆石がみつかっています。特に増えているのが中高年男性。胆石の部位や性状によっては、突然激しい腹痛に襲われる胆石症が発症する可能性があり、なかには、命にかかわる危険な胆石症もあります。 無症状でも定期的な検査を行い、疑わしい症状を感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。賢く知って 正しく対処!380パーセントは胆のう結石病 気 とけ ん さ中高年男性は10人に1人!?「胆石症」

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