Labo_No.559
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検査が行われます。検査法としては、腹部超音波(エコー)検査、CT(コンピュータ断層法)、MRCP(磁気共鳴胆管膵管撮像法)、EUS(超音波内視鏡検査)、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影法)などがあり、患者さんの状態、疑われる胆石の存在部位などに応じて、苦痛の少ない検査を基本に決定されます。 ■腹部超音波(エコー)検査通常胆石症は、お腹の痛みなど何らかの症状で医療機関を受診することによって診断されます。また、人間ドックなどのお腹の超音波検査により、症状がなくても発見されることもあります。いずれの場合でも、現在は超音波検査が最初の診断法であることがほとんどです。腹部超音波検査は、高い周波数の音波を腹部に当て、胆のう、膵臓などの臓器の状態を観察します。痛みや放射線の被曝もなく、安全で受ける人にとって負担が少ない検査です。 腹部超音波検査は、魚群探知機と同じ原理で、胆のう結石をみつけ出すことができます。また、胆のう炎が起こっているかどうかもよくわかります。 ■CT(コンピュータ断層法)胆石が総胆管のなかにある総胆管結石の場合には、腹部超音波検査で描出することは多くの場合困難で、CTなどが選択されます。CTはX線を利用してお腹のなかを画像として表示する方法です。必要に応じ造影剤を使って撮影します。患者さんは検査台に寝ているだけで装置が動き情報を集め、短時間で検査が終わります。X線被曝があり、造影剤により気分が悪くなることがあります。 ■MRCP(磁気共鳴胆管膵管撮像法)磁力を利用してお腹の画像を描出する方法です。CTと同じように検査台に横になっている間に画像をつくるための情報が集められます。X線被曝がなく負担の少ない検査ですが、CTより検査時間が長く、閉所恐怖症や体内に金属の入っている人など、受けられない場合があります。先端にカメラを搭載した細い管を口や鼻から体内に挿入し、体内の様子をモニターに映し出して観察する内視鏡(いわゆる胃カメラ)。超音波プローブと組み合わせたり、診断とあわせて治療も行ったりと、胆石症診断においても活躍しています。 ■EUS(超音波内視鏡検査)内視鏡の先端に小さな超音波プローブのついた装置を、口から体内に挿入し、胃や十二指腸の壁を通して、超音波を胆のうや胆管に当てます。胆石があるかないか、胆のうや胆管の壁に異常がないかが調べられます。 ■ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影法)内視鏡を十二指腸に挿入し、胆汁の出口である十二指腸乳頭から胆管に造影剤を注入して胆石の有無をみる方法です。胆管の結石をみつけ次第、ただちに治療できるという特徴があります。検査・治療後は絶飲食となるため、入院が必要です。胆石症の治療には、①経過観察、②薬前後5内視鏡も活躍診断と同時に治療も可能に!胆のう結石は経過観察症状があれば手術が基本■ LABO – 2025.08図表2 胆石症の症状■右の肋骨下の差し込むような痛み■みぞおちから背中に抜ける痛み■右肩の痛み■食後の胃もたれ、吐き気など消化器症状や 発熱をともなうことも右肩痛右脇腹痛発 熱吐き気

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