総胆管結石、肝内結石は重症化やがんの合併などを考慮れる場合などは開腹手術となります。コレステロール石の場合、飲み薬で石を溶かすことが可能なケースもあります。しかし、対象となる胆石が限られ、年単位で薬を飲み続ける必要があること、胆のうの機能に問題がないことなどの制約があります。総胆管結石は症状が出ることが多く、重症となるリスクもあるため、原則的に治療が必要です。治療法には内視鏡を用いる方法と外科手術があります。どの治療法を行うかは、総胆管結石の大きさや数、胆のう結石を合併しているかどうか、患者さんの状態などを考慮して決定されます。肝内結石は、肝内胆管がんを合併することがあり、この場合には肝臓の一部を切除することを含めた肝内胆管がんの治療を進めます。肝内胆管がんの合併がみられなくても、結石ができていることにより肝臓が小さくなっている(萎縮)、症状がある、胆管に狭いところがあり胆汁の流れが悪くなっているなどの場合には、外科手術、内視鏡治療が行われます。状況に応じて、結石のみを取り除いたり、周りの肝臓を含めて切除して結石を取り除くようにします。物を用いて結石を溶解する胆のう温存治療、③胆のう摘出術があり、胆石のある場所によって選択が異なります。発熱など炎症症状をともなっている場合は、重症の度合いが高いので治療を急ぐ必要があります。まず、胆のう結石は、無症状の場合は、胆のうにがんの合併のないことを確認したうえで、治療を行わず定期的に経過観察することが可能です。何らかの症状がある場合は、手術による治療が原則です。胆のう結石は結石だけを取り除いても再発するため、胆石といっしょに胆のうを取り除く手術を行います。現在では、傷口が小さく、手術後の痛みも少なくて数日で退院できる、腹腔鏡下胆のう摘出術が広く行われています。胆のう炎を繰り返すなどにより癒ゆちく着ゃのひどい場合や、胆のうがんの合併が疑わ胆の う結石胆菅 結石胆菅胆管 と胆石を 除去肝臓胆のう胆 のう 結 石胆 のう ごと切除肝臓胆のう内 視鏡バスケットカ テ ーテル肝臓 を含めて 切除肝 臓胆のうプローブという装置をお腹に当てると、高い周波数の音波が出て、画像がモニターに描き出される。「お腹の聴診器」とも呼ばれる62025.08 – LABO ■図表 3 腹部超音波検査図表 4 胆石の部位で異なる手術胆のう結石総胆管結石肝内結石
元のページ ../index.html#6