・Memo・とろみのついた汁と幅広の生麺「煮ぼうとう」級グルメと評され、誰もが知る麺になっています。生麺から煮込むことで、適度なとろみが生まれるのが特徴です。たとされる「煮ぼうとう」は、深谷市内の学校給食でも提供されるほか、毎年11月11日の命日には地元の公民館で「にぼうと会」が催されています。食べる日常食で、温かくとろみのついた煮込み料理であることから、秋から冬にかけて多く食されてきた「煮ぼうとう」。現在も、おもに冬にからだを温める食事として家庭でつくられています。「煮ぼうとう」は、栄養バランスのとれた一品です。深谷市出身の実業家、渋沢栄一も愛しかつてはいろり端や鍋を家族で囲んでこれだけでおなかがいっぱいになる稲作の裏作として小麦が多く生産されていた埼玉県では、さまざまな地域で多種多様なうどんが生まれています。深谷市を中心に食べられている「煮ぼうとう」もそのひとつで、入間郡や比企郡では「ひもかわ」や「打ち入れ」、秩父地域では「おっきりこみ」と呼ばれ、食されてきました。1980年代後半までは米の代用食で、農作業の合間に食べる料理として認識されており、飲食店で提供するものではなかったそうです。小麦粉をこねて伸ばした幅広の生麺と、特産品の深谷ねぎ、地元で収穫した根菜類を煮込み、醤油で味つけした「煮ぼうとう」は、今や埼玉県を代表するB出典:農林水産省Webサイト、参考資料:農林水産省ホームページ、『ポプラディア情報館』(株式会社ポプラ社)家庭料理のねぎぬたは結婚式など祝いの席にも供されるど ん ど ん●本誌の文書、写真、図版等の無断転載・複製を禁じます。転載・複製をご希望の場合は本協会までご連絡ください。りんしょう犬さんスタンプ購入サイト医 食 同 源みんな使ってネ▶〒112-0004 東京都文京区後楽2-3-28 K.I.S飯田橋2階電話(03)5805-5250(代表) FAX(03)5805-5252毎月1日発行 1部85円(発行部数36,500部)郷 土 料 理をもう一 品 !渋沢栄一も愛した根菜たっぷりの「煮ぼうとう」 埼玉県はねぎの生産量が多いことで知られています。とくに「深谷ねぎ」はブランド化されており、ねぎそのものの風味が味わえるねぎ焼きをはじめ、ねぎぬたやかきあげ、白和えなどの料理に用いられ、煮ぼうとうにも欠かせない食材です。とくに冬ねぎは甘みが強くとろけるような食感があり、酢味噌の風味とよく合い、味わいは格別です。 ちなみに、ねぎを使った料理の中で祝い事に欠かせないのがねぎぬたで、出席者に出されると「もうすぐお開きですよ」という合図になっているそうです。サトイモ埼玉県は2023年のサトイモの収穫量が全国一(2024年、農林水産省公表)。2023年7月に世界農業遺産として認定された「武蔵野の落ち葉堆肥農法」でつくられたサトイモは、独特のぬめり・ねばりがあり、上品な味わいと高評価。イモ類の中でもカリウムが豊富で、高血圧予防にも効果があり、食物繊維や水分を多く含んでいることから、便秘改善効果も期待できます。次世代に伝えたい!シメの料理「ねぎぬた」煮ぼうとう (ひもかわ)埼玉県郷土料理麺
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