Labo_No.561
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遠心近心歯周病の重症度で異なる治療法治療後のメンテナンスも忘れずに 765432112345676 ります。プラークや歯石除去程度の基本治療ですむか、外科的治療が必要になるか、分かれ目は定期的な歯科検診や、早期の予防・治療です。 1.歯周基本治療歯周病の初期段階や軽度の歯肉炎に対して行われます。おもな内容は、プラークや歯石の除去、歯の根の表面を滑らかにするルートプレーニング、咬み合わせの調整などを行います。ルートプレーニングとは、歯周ポケット内部の、歯石と細菌で汚染された歯の根のセメント質を、専用の器具を使って除去し、歯の根の表面を滑らかに仕上げる処置です。これにより、細菌の再付着を防ぎ、歯肉の健康な状態への回復を促します。 2.歯周外科治療歯周基本治療で十分な改善がみられない場合や、歯周ポケットが深くなりすぎている場合には、外科的な治療が行われます。歯肉を切開して歯の根の深部までアクセスし、歯石や感染組織を除去する手術(歯肉剥離掻把術)や、失われた歯槽骨の再生を促す手術(歯周組織再生療法)などを行います。 3.メンテナンス(定期検診)治療後は、歯周病の再発を防ぐために定期的な検診とクリーニングが必要です。歯垢や歯石の再付着を防ぎ、健康な状態を維持します。場合、歯周病の炎症が進行している可能性があります。 ■アタッチメントレベル(AL)歯周病の進行の程度をより正確に評価するために、歯肉縁から歯のセメント質までの距離を測定し、歯周組織の支持状態を評価します。 ■プラークの付着状況の検査 プラークコントロールレコード(図表5)などを用いて、プラークの蓄積状況を評価します。プラークが多く付着している部位を特定し、治療計画やブラッシング指導に役立てます。 ■歯の動揺度歯の動揺を評価し、歯周組織の支持力を確認します。歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶け、歯が揺れやすくなります。 ■エックス線画像歯槽骨の吸収状態や骨欠損の程度を評価します。歯周病が進行すると、歯槽骨が溶けてしまうため、レントゲンでその程度を把握します。 ■咬合咬合状態を評価し、歯周病の進行に影響を与える咬合異常の有無を確認します。歯周病の治療は、重症度によって異な中等度重度 図表 4 プロービングデプス正常〜軽度図表 5 プラークコントロールレコード(PCR)頬側*近心は歯列の真ん中に近づく方向。遠心は真ん中から遠ざかる方向舌側プローブ歯周ポケット3mm 以下赤く染められた部位を「プラークあり」と判定。プラークの付着の程度を百分率で示す。45部位 PCR=28歯×4面×100=40%歯周ポケットの深さ 4〜6mm 7mm 以上肝 臓2025.10 – LABO ■

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