8「マイコプラズマ肺炎の検査」231識検査のはなし vol.15血清検査迅速抗原検査 核酸増幅検査咽 頭ぬぐい 液など検体血液検査対象抗体抗原2 週間以上間隔を空けて2回検査時間30分以内確定診断に有効、 感染から時間がたっていても診断できるメリット検 査時間が短く、キットがあれ ばどこで も検査可能感染初期の1回の 検 査では診断できない陰 性でも感 染の 否 定はできないデメリット診断書の作成、疫学調査使用する場面外来での診断14咽 頭 ぬぐ い 液などDNA1時間以内検 査 時 間 が 短く、 検査精度が高いPCR 装置が必要PCR 装置がある施 設 で の 外来 や入 院 で の診断日本臨床検査専門医会 松本 剛●日本臨床検査専門医会:種々の検査を通して診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供する臨床検査医の職能団体です。専 門 医 が教えるマイコプラズマ肺炎はどういう病気ですか?マイコプラズマ肺炎の症状を教えてくださいマイコプラズマ肺炎の検査はどのように行いますか?マイコプラズマ肺炎は肺炎マイコプラズマ( Mycoplasma pneumoniae )という細菌に感染することによって発症する呼吸器感染症です。子どもや若い人のほうがかかりやすいですが、大人でも感染します。1年を通して感染者がいますが、秋から冬にかけて患者数が増える病気です。感染して 2 ~ 3 週間経ってから、発熱や頭痛、全身倦怠感によって発症します。咳は発熱後 3 ~ 5 日してから出始めることが多く、最初のうちは乾いた咳が出ます。咳は徐々に痰が出るような湿った咳に変わり、解熱後 3 ~ 4週間続くこともあります。多くは炎症が肺まで及ばない気管支炎ですみますが、中には肺炎になってしまう人もいます。表 マイコプラズマ肺炎の検査の使い分けマイコプラズマ肺炎の診断のための検査をお示しします。 ・培養検査患者さんの痰などに肺炎マイコプラズマがいないか、培養検査を行います。ただし、肺炎マイコプラズマの培養には特殊な培地が必要であり、また培養には 1 週間以上かかることから一般的に培養検査での診断は行われません。 ・血清検査ヒトは感染症にかかると、その原因微生物を倒すための抗体が血液中で増えます。肺炎マイコプラズマに感染すると、通常は血液中に存在しない肺炎マイコプラズマ用の抗体が産生されるため、血液検査で抗体を確認します。2 週間以上空けての 2 回の検査で 4 倍以上になることが目安となります。 ・迅速抗原検査患者さんのノドの奥を綿棒で拭い、その中に肺炎マイコプラズマだけが持つ蛋白質が存在するかを、抗原抗体反応を用いて調べる検査です。この検査は簡便でかつ短時間で結果が出ますが、肺炎マイコプラズマが一定以上存在しないと陽性とならないため、感染初期では見逃してしまうことがあります。 ・核酸増幅検査患者さんのノドの奥を綿棒で拭い、その中に肺炎マイコプラズマの DNA が存在するかを調べる検査です。肺炎マイコプラズマの特異的な DNA 配列を増幅し(PCR 検査)、DNA が増えれば感染していると診断ができます。この検査は短時間で結果が出て、かつ抗原検査よりも少ない肺炎マイコプラズマを検出できますが、特殊な装置が必要です。新型コロナウイルス感染症の流行によって、多くの病院に PCR 検査装置が配置されたため、検査可能な施設が増えています。 ・その他ここまでの検査は肺炎マイコプラズマに感染しているかを調べるための検査でしたが、肺炎になっていないかを調べるためには酸素の数値や画像検査が必要になります。2025.11 – LABO ■検 査 の 豆 知
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