早期に見つかれば生存率はほぼ100%ピークで、AYA世代と呼ばれる15歳から39歳までに発症する人もいます。このため、妊娠や出産への影響や仕事や子育てとの両立が課題となります。女性がかかるがんの中で最も多いのが乳がんですが、死亡数でみると大腸がん、肺がん、膵がんに次ぐ4番目です。つまり乳がんはかかる人乳がんは、女性の9人に1人はかかるといわれている身近ながんです。多くのがんは60歳以降で発症しやすく、高齢になるほど増えますが、乳がんはより若い世代で発症しやすく、40代後半から60代後半がは多いけれど、それで亡くなる率は高くないがんといえます。5年生存率のデータを見ると、早期のⅠ期で見つかった人の生存率はほぼ100%、Ⅱ期でも95%以上です。一方ステージⅣで見つかった人の5年生存率は50%以下です。このため、早期の段階で乳がんを見つけて、治療を受けることが大事です。乳がんはしこりなどの症状を自分で見つけることができますが、早期は自覚症状がないことが少なくありません。そこで、40歳以上の女性は2年に1回、マンモグラフィ検査を受けることが推奨され、対象であれば自治体で無料、または少額でマンモグラフィ検査を受けることができます。マンモグラフィは、乳房のX線検査のことで、乳がんの初期症状である石灰化や小さなしこり、わずかな乳腺のひきつれなどを映し出します。このため、乳がんの早期発見に有効だと考えられています。しかし、日本の乳がん検診率は機構)と比較してかなり低い検診率となっていて、アメリカの約80%と比べると半分に近いという状況です(表1参照)。0診■ LABO – 2025.121165.765.3ドイツ2019イギリス202268.4 71.3 73.5 65.71008076.170.06040アメリカ2021フランス2019202001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022アメリカ84.8 82.2 81.1 80.4 80.8 79.5 80.7 76.5 76.1イギリス75.9 75.0 74.7 75.3 75.8 76.0 76.6 76.8 76.9 77.2 76.7 75.9 75.3 75.1 75.4 75.1 75.2 75.1 74.2 64.2 65.3フランス72.8 79.9 76.7 75.4 75.0 70.0韓国36.6 43.2 44.6 49.1 54.5 61.2 63.6 63.5 74.1 67.6 61.6 65.3 64.8 64.4 63.2 65.9 74.2 58.0ドイツオーストラリア57.3 57.6 56.7 56.3 56.8 57.6 56.9 55.8 56.2 55.9 55.2 55.0 54.9 54.2 54.5 55.1 55.0 54.7 54.5 49.4 47.1 49.7日本22.5 23.3 23.8 36.4 41.0 42.3 44.6 44.758.049.7韓国2022オーストラリア202244.7日本2022女性がかかるがんの中で、最も多い乳がん。毎年9万人以上の人が乳がんと診断されています。乳がんは早期発見、早期治療によって命を落とす可能性がきわめて低くなることが報告されています。しかし、日本の乳がん検診率は、約45%と低く、マンモグラフィ検診における医療基盤の拡大が求められています。そうした中で、精度の向上や人的負担の軽減に役立つ可能性がある、AI(人工知能)を活用した乳がん検診に期待が寄せられています。乳がん検診の現状やAIの導入について紹介します。表1 乳がん検診(40〜69歳)国別受診率44・7%。OECD(経済協力開発出典:公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計 2025」乳 が ん検AIで乳がん検診に革新!精度の向上と医療現場の負担減に期待Medical Trendメディカル・トレンド
元のページ ../index.html#11